
1年前の12月25日
わたしは涙に明け暮れていた
心通う友は人生でどれくらいいるだろうか
気が置けない人との出会いは
そう多くないと感じる
いわゆる、親友っていう人物である
その友との永遠の別れが私の視界を涙で曇らせた
酷く落ち込み私の思考と時間がしばらく止まった…
大学院時代に交流がはじまった後輩にあたる「彼女」は
とてもよく勉強ができた
16才から突然にして発作に襲われるまで
「彼女は」スポーツ大好き少女だった
活発さは身体が思うようにならなくともその様相は必須で
「体育会系」気質がいつも前面に出てくる
「ハイ!」「先輩!」「そうっすね!」
いつもこの3点セットなのだ
人生の半分以上を発作の苦しみで過ごした「彼女」だったが
勉強だけは欠かさなかった
大学院時代よりもむしろ3年前に久々の再会をしたときに
「彼女」との友情は加速した
原因不明の病とたたかい続ける「彼女」
身体を理由に塞ぎこみそうなところを
強引に誘い出して毎月会おうと約束をする
名古屋市内にあるコーヒーショップでカフェが定番だ
コーヒーショップなのに「彼女」の地元特産
「抹茶」ラテしか頼まない
ここでよく色々なことを話し込んだ
何を聞いても答えが返ってくる
「彼女」に「辞書みたい」といったこともあると思う
体調を崩し、60分離れた自宅へ送っていくことも何度かあった
そのたびに私も自分を責めるのだ
「無理させたのかな…」
最近医療関係の方とお仕事をする機会を頂いて
色々なお話を伺っている中こんなことを聞いた
「解明されていない病は2万件ほどある」
驚きだった、そんなにあるとは
世の中にはわからないことが本当にたくさんあるのだ
自分にとって「不都合」なときにそれを疎ましく感じる
氷点下の青森から名古屋にもどり
夕方私は車を駆って「彼女」に会いに向かった
モクモクとしたねずみ色の雲の切れ目から
マンダリン色の夕日がこぼれる不思議な空
「ああ、この道を通ってよく送って行ったな…」
そう考えるだけで目の前がにじんでくる
「彼女」の最後のことばは「ありがとうでした」
ご家族がそう言う
なにもしてあげられなかった
私に宛てた最後の直筆メッセージも
「ありがとう」だった
大切な友のメッセージと
「彼女」の心をどうやって受け継ごうか
次の一年までに考えたいと
やっと思考が動き始めた
マンダリン色のあかいやわらかな日差しが
瞼のおくから離れない
「彼女」のあたたかい光